玉の緒会 ブログリレー10

※課外活動・歌舞伎鑑賞Cプロに参加した方です

 

ブログリレーのバトンを受け取りました、横浜教室の平です。長唄三味線を始めて半年。横浜在住のためお稽古はいつも横浜能楽堂です。

能楽堂と言えばその名の通り屋内に能舞台がある劇場。

私はお能を見るのが好きで、毎月、横浜狂言堂や普及公演などにお邪魔しております。

字を平と申しますので、小学生時代のあだ名は「将門」です。平家物語を題材にした古典芸能の演目は多く、自分の祖先がバンバン出てくるとなれば(だいたい悪役かもう死んでますけどね)、いっちょ見に行ってみるかと能を見るようになった訳です。しかし歌舞伎は初体験。

平家を討ち滅ぼした義経が、そのシゴデキっぷりから兄頼朝に追われ。法皇から「頼朝を討て」という示唆を含む『初音の鼓(打つ楽器)』を賜ってしまい板挟み。忠臣の佐藤忠信に愛妾静御前を、静に件の鼓を託して都落ち。

ってところから始まったのですが、まず驚いたのが幕があること。能舞台にステージを隠す幕はありません。しかも幕の色使い。歌舞伎揚げのパッケージ!!そして舞台装置が大掛かりなことこの上ない。能舞台には背景の松しかありません。場面の風景は観客の想像に委ねられています。小道具的に岩を模したものなどが舞台に運び込まれたりはしますが、こんなに大道具さんの仕事を見ることはありません。花道もあるし、役者さんは動き回るのでしょう。

静の赤姫の衣装も、あんみつ姫のそれを中振袖にしたものでキラッキラ。うおおお、派手だぞ〜と驚いていたところ、花道から、忠信が沸いて出てきた!下から迫り上がってくるこの装置は「すっぽん」というそうで、人外のキャラの時に使われるそうです。

能も歌舞伎も、登場人物が自分の素性を口上してくれたり、人外のサインが多々あるので分かりやすくて良いですね。イヤホンガイドもシゴデキです。

能は面をつけ、歌舞伎は顔を塗る。それくらいの知識はありましたが、顔面が真っ赤な「赤っ面」が出てきた時はめちゃくちゃ驚きました。大体悪人の時は赤っ面だそうですが、今回は義経の家来で前髪。悪人ではなく血気盛んな若者を表しているそうです。ドカドカと足を踏み鳴らして、手のひらと腕を開き、首を回したりして見得を切ります。ポーズにはそれぞれ名前があるそうですが私にはまだ分かりません。

静を守るように申し付けたはずなのに、ひとりで現れそのような命は受けていないと言い張る佐藤忠信は、赤っ面ら義経の家来に連れて行かれてしまいます。

そこへ、さっきまで一緒だったんだけど忠信とはぐれちゃった、とひとりで静登場。我が君と再会を喜ぶ静。忠信が2人いることに混乱する義経。

共に旅をした忠信についてどこかおかしなところはなかったかと尋ねる義経。そういえば鼓を打てば必ず忠信が現れましたと静。ではここでまた鼓を打ってみよ、私自身は打つ(討つ)ことはできぬからと奥へ下がる義経。

静が鼓を打つと、えええええ?!ってところから忠信が転がり出てきて思わず声が出てしまいました…。

ネタバレになるので筋書きはここら辺に致しますが、歌舞伎のエンタメ性の高さ、伝える工夫、大掛かりな演出や機敏な動き、細かな視線や表情、指先の仕草には目を見張るばかりで、目まぐるしい舞台展開に時を忘れてしまいました。

一日中通しで鑑賞する人がいることにも納得です。

今回は目に気を取られて、語りと三味線に集中できなかったので、今度は長唄に注耳してみたいと思います。

玉の緒会課外活動をもっと楽しめるように、長唄のことももっと知っていきたいですね。

以上、将門がお送りしました。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です