玉の緒会 ブログリレー

横浜教室の平です。
今日は国立劇場に文楽を見に行ってきました。
文楽は写実的な人形を複数人で操作して演劇をする人形劇。
重要無形文化財。ユネスコ無形文化遺産にもなっています。

今回観た『国性爺合戦』は、「こくせんやかっせん」と読むそうです。
「こくしょうじい」じゃありません。
私は初見で「こくしょうじい」と読み、なんかお爺さんの話かな?と思いましたが事前講座で違うと認識。

国姓爺とは、国王と同じ苗字を名乗ることを許された英雄の意味で、鄭成功は台湾や中国でいまでも英雄とされる人。
その方をモデルにした、エキゾチックでスケールの大きい冒険物語。

玉の緒会のメンバーが、事前に文楽や演目について調べ、zoomで教えてくれました。
先生の追加説明もあってあらすじは把握しての鑑賞なので安心です。

役者(人形使い)は役のセリフを話しません。終始無言で操作。
人形のセリフは、1人の「太夫(たゆう)」が何役も同時にこなします。
状況説明もするので、聞き手は状況と声色からどの登場人物のセリフなのか、あるいは今ストーリーの筋書きについて話しているのかなどを判断しないといけない。
舞台横に台本のテキストが表示されるのでついていけました。
イヤホンガイドも大助かり。

三味線は音による演出係で重要な役割を担います。
上手前方に客席まで張り出した、「床(ゆか)」で太夫と義太夫節を演奏します。
舞台上手にある、簾がかかっている小さな部屋にも三味線が何人も居て、クライマックスなど場を表現する音の量が大きく厚い必要がある時に、演奏。
簾に隠れて見えないけど、撥を捌く人影が複数、ぴったり揃った動きで音の大波を作る様はカッコよかったです。
床の三味線弾きと太夫は視線も合わせないし指揮者だっていないのに、息があってるのが凄かった。息で合わせるんですよね、人間の受発信する感覚のデータ量って相当なんだろうな。

大人になってから人形浄瑠璃を見るのは初めてかつ、自分が三味線を習うようになったので、演奏にも興味がある状態で見るのは初めて。
正面見たり脇見たりして首が忙しかったです。
見ると書きましたがオンラインで見るのとは違う臨場感、息遣い、僅かな視線や身体の動きも伝わってきて、人形の足音や衣装が翻る時にはらむ空気、音の波に巻き込まれる体験は劇場ならでは。

子供の頃に見たことがあってもなくても、ぜひ一度大人になった感覚を持って伝統芸能の劇場へ足を運んでみてください。
きっと新たな発見があります。

劇場は着物の方もたくさんいらっしゃるので、着物を着てお出かけするのも楽しいです。

最後に「千里が竹虎狩りの段」に出てきた猛りに猛る虎さんが、とっても可愛かったのをお伝えしたいです!
1つの演目の中で笑ったり感動して泣いたり、退屈せず最後まで楽しく鑑賞できました。

機会があったらぜひご一緒しましょう。

 

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