玉の緒会 ブログリレー11
またまた登場しました、三味線3年生の塩谷です!
2022年10月、玉の緒会では2週にわたり国立劇場での『義経千本桜』をAプロ~Cプロ(ひとつの話を3プログラムに分割したということ)を一気見するツアーが行われました。
私自身は大学時代に一度歌舞伎座の一幕見で見たことがあったのですが、どんな内容だったのかは微塵も覚えていません(ごめんなさい)。
ので、今回がほぼ初めての歌舞伎鑑賞。
その時の感想をポイント毎にご紹介します!
【その1】舞台装置すごい!
セットの手前と奥とで色の明暗をつけて奥行きを見せたり、本物の建物のように窓や戸が開閉できたり、舞台美術ってまさにこれだなと思うようなこだわりのセットが面白かったです。
また、黒衣さんが走って幕を引いたり、上から幕を落としてキャッチしたり、役者の外側にある人力を使った演出が面白かったのが印象的。人力ゆえの「おお!」という驚きがありました。
あと、花道からもセリ上がれるんだ…!というのも初めて知ったことでした。というか、特に源九郎狐が出てくるCプロはどこからでも登場&退場していくので、本当になんでもありなんだなぁと呆気にとられました。
【その2】出で立ちが面白い!
やはり歌舞伎といえばきらびやかな衣装が見所。舞台から一番遠い席だったけれど、全然そう思わないくらいに役者さんが映えていました。近くで見たらもっとすごいんだろうな。
中でもびっくりしたのが、ひとつの舞台に出てくる人物の化粧が違いすぎること。眉、目張り、口紅のみのシンプルなお顔の人物が多い中に、突然がっつり隈取の入ったキャラクターが登場してくるのにはびっくり。少女漫画にムキムキのアメコミヒーローが出てきたとでも言うような、あまりに毛色の違うキャラクターが出てくるので、全然絵面が違う…!と思いました。けど、誇張されている分むしろ人物像や役回りがすごくわかりやすいな、というのを実感しました。
【その3】Aプロ~Cプロまで見た結果。
AプロからCプロまですべて見た結果、個人的に一番面白いと思ったのはAプロでした。
なんとなーく見たことのあった「錨を巻き付けて海に身を投げるシーン」が実際に見られたのもそうだし、何よりストーリーが好みでした。
間の抜けたキャラクターが度々登場するのですが、その歩き方、話し方、全部が絶妙。そんなキャラクターがいるからこそ、主役の覇気がさらに際立っていました。
ただ、好きだったのはここからで、その「間の抜けた」というのは実は演技で、本当は共に義経を狙う平家武士達というのがとてもツボでした。「あいつら、そうだったのか……😭」と、先ほどまでの間抜けさゆえに余計に切ない。
けど、Bプロの権太も悪いやつだけどかっこよかったし、Cプロの狐さんも可愛かった。そうそう、源九郎狐さん、巷で流行っているという日ハムチアの名物パフォーマンス「きつねダンス」を彷彿とさせる軽やかでキュートな動きでした。あれで球場パフォーマンスしたらウケそう。
【その4】国立劇場でのモグモグタイム
BプロからCプロまで通しで見た日は、間でお食事処「十八番」でのお食事タイムがありました。私は梅御膳を選択。見た目もお味もとてもお上品。おいしゅうございました!
実は、ラーメンやカレーも気になります……が、国立劇場はリニューアルにつき今月末で閉館。食べ損ねた😢
そして、各プログラムが長いので待ち時間に意外とお腹が空く。おやつを持っていくor売店で入手するとよいことも学びました。
【その5】ありがとうイヤホンガイド!
初心者だからと借りることにして、思っていたより華奢だしAMラジオ音質でびっくりだったイヤホンガイド。
舞台の進行に合わせてばっちりなタイミングで話の流れや登場人物の解説、見所を紹介してくれる優れものでした。
頼りすぎて役者さんの言葉をもはや聞いていない、という状態になってしまうのはちょっと残念なので、いずれはなくても楽しめるようになりたいです。
以上、『義経千本桜』をAプロからCプロまで一気見したときのレポートでした!
歌舞伎は詳しくないし難しいと思い距離を感じていた古典芸能でしたが、なんとも形容しがたい中毒性がありそうです。また見に行きたいです!